陶芸家の集まる村で、使い心地を追求する作陶家 – 真山窯(菰野町)

菰野町には、陶芸家達が集まる村がある。

三重県三重郡菰野町にある陶芸村では、名前のとおり一軒一軒が独立した陶芸家が集まる場所です。それぞれの作陶家の作業風景や工程、作品を見ることができ、また交流を持つことができます。

ここでは四日市萬古焼を身近に感じてもらいたいとの思いで、作陶体験も開催しています。

また12連の大きな薪の窯が併設されており、陶芸を体験される方にとってとても充実した環境がここには揃っています。

「使っていて心地が良いもの」を追求する

真山窯では、日常で使うための作品を作るときは「心地よさ」にこだわっているとのこと。柔らかく、目に優しい、使い手の感性に無理を強いない心地良い色遣いが特徴で、深いグリーンや青を用いた作品が多いです。

このような色を選択するのも、目で見たときのホッとする心地よさを感じていただきたいとの思いから。大きさや形状においても、手に取った人が心地よさを感じていただけるようこだわっています。

作陶家、西田真也さんが語る夢とロマン

「作陶には夢もロマンもあり、そして何より楽しみながら作ることができる。」

もともと、自分の力で多くの人が使いやすい価格設定とデザインで作陶したいとの思いで作陶を始めたという西田さん。その傍ら、日本伝統工芸展をはじめとした公募展に出展する作品では、幾多ある技法の中から「自分らしさ」を出せる技法を用い、自分にしかできないような作品作りにこだわっています。

西田さんはどちらの作品に対しても、夢とロマンを持って作っていけることが作陶の楽しみだといいます。その姿勢からは作陶に対する大きな愛情を感じることができます。

若いころから一生懸命ろくろをひき、蓄積された技術。作品作りには技術力も必要ですが、それ以上にデザイン力の源となる感性も必要だと、西田さんは語ります。それはたくさんの人に出会い、いろんな景色や物を見て感性を磨き、記憶するのではなくて意識の中に溜め込むこと。

つまり感性を磨くための「受信する力」と、「受信したものを溜め込む器」を持っていることが重要だといいます。

「陶芸が好きだからこそずっと続くし、ゴールの終わりはない。」

本当に陶芸が好きで楽しまれていると感じるとともに、夢を持ち続けている姿、そして素晴らしい感性を持つ人柄が表情に表れています。


薪の窯を使う故伊藤圭氏が、陶房から出る煙が近隣住民の迷惑にならない環境を求め「圭峰窯」を構えたのがはじまり。伊藤氏に賛同する作陶家や萬古焼などの芸術家が集い、陶芸の村を形成しています。最大の特長は、その一軒一軒が独立していること。作業風景を見たり、作品に触れたり、作家との会話を楽しんだり、濃密な時間をゆったりと楽しめます。今なお現役の12連登り窯は一見の価値あり。陶芸作家の指導による作陶・絵付け体験は初心者でも楽しめます。

真山窯(しんざんがま)を構える陶芸家の西田真也さん。日本伝統工芸展に出品する芸術作品と実用的な陶器を二刀流で制作しています。『大事なのは技術よりも感性』と語る西田さん。印象的な幾何学模様を生み出す瑞々しい感性は、菰野の恵まれた環境によって育まれたものかもしれません。

[配信日]2020年09月24日
[企業名]真山窯
[出演]西田真也 他

基本情報
住所〒510-1251 三重県三重郡菰野町千草7072-1
電話番号059-392-3118
公式サイトhttp://shinzangama.com/

※情報は取材時のものであり、変更の場合があります。

動画リンク先
YouTubehttps://youtu.be/-wYPeT-r5Go